以前、介護施設の職員が、入居者をベランダから投げ落として、3人を殺害したという事件が世間の話題となりましたが、介護施設と言えども、大勢の人間の集まり、そこで寝起きし寝食を共にするわけですから、何らかのドラブルが発生するのは、ある意味、当然のことでしょう。
介護の現場には、魔の3ロックとい言葉があります。それは、フィジカルロック、ドラッグロック、スピーチロックです。
まず、フィジカルロックは、居室の外から鍵をかけたり、ベッドに四肢を縛るなどして、物理的に高齢者を拘束することです。
ただし、こうした行為は、幾つかの条件を全て満たした場合の特例を除き禁じられております。
ドラッグロックは、夜寝ないため、日中の介護に対する抵抗が激しいため、などの理由で、睡眠薬などを使って抑え込む事をいいます。
スピーチロックは、言葉で行動を抑制する事をいいます。介護の現場でよく耳にするのは、「今、忙しいからちょっとそこに座っといて」という言葉です。
しかし、これも、広義での拘束となりますが、それを指摘されても、「人が足りないため仕方ない」の一言で終わらせてしまいます。
「高齢者の虐待防止等に関する法律」(通称、高齢者虐待防止法)では、虐待の疑いのある高齢者を発見した介護職員は、自治体に通報しなければなりませんが、現実は、通報されるのはごく一部で、大半は事業所内で処理される傾向が強いため、常態化している事業所もあるようです。
介護施設においては、介護職員の倫理観や人権啓発を行って対策を取っておりますが、これを完全に防ぐことは難しいのが現状です。
このため、面会を定期的に行って様子を観察するとともに、介護記録の開示を請求して、チェックすることも大切です。
介護記録は、サービス利用終了後2年間の保存が義務付けられており、記録の開示請求は拒否できないため、ある程度の抑止力にはなるでしょう。
遭遇してから対処するのでは遅いのです、遭遇しないためにも、事前の対策を講じることが大切です。
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